今だから思う、幼い頃の記憶
私がコットンの服屋になりたいと思ったのは、小さな頃、母がいつもコットンを選んで、一着づつ素材を確認してから服を買うのをずっと見てきた事が影響しています。
母は今でいう、化学物質過敏症タイプで、花粉や、猫アレルギーのような自然本来のものには全くアレルギーは無いけれど、化学工場の前を通るとくしゃみが止まらなかったり、気持ちが悪くなったり、衣類はコットン以外は痒くてとても着ていられない、と言っていました。
けれど、当時は今のように、アレルギー検査をしに病院に足を運ぶ訳でもなく、
身体の反応に任せて、自分なりの基準を作っていたようで。
色々なものがちょうど巷に溢れてきた高度成長の時代に逆行するように、
できるだけ、自然なものを、安全なものをと、
産まれた時から一緒に買い物に出掛けていた中学生に上がる頃まではずっと、着る服は私も兄もコットンのみ。
食卓には冷凍食品などは無く、質素で季節を感じるものが多く。
家庭菜園をし、気持ち良い衣食を整え、
シンプルながら、愛情深く育ててくれたな、と思う。
今は上質なリネンも身近になり、化繊でもストレス無く着れるものなど、選択肢は広がっているけれど、
自分が衣を世の中に出す側になるのなら、やっぱりずっとお世話になってきたコットンから始めようと思ったのです。
コットンの背景を改めて見直し、
オーガニックコットンについて学び、
コットンの原産地、種類、製作環境。
染料について。
紐解いていくと、色々な事が見えてくる。
そして、今暮らしている、バリ島について。
産業について。
ファストファッションについて。
ファストファッションの工場がひしめく隣のジャワ島について。
劣悪な環境について。
汚染された川について。
けれど、その枠の中で働く、
ひとりひとりの毎日の暮らしについて。
ひとりから繋がる、その家族の暮らしについて。
。。。考える。
何を誰に届けたいか。
どんな人たちとなら一緒に作っていけるか。
私個人の小さな一歩は、一体どこを目指せばいいのか。
自分なりの答えを探しています。
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